Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
二
もみ烏帽子や市女笠や、白い頭巾――桃いろの被衣などが、野や畦を、ぞろぞろとあるいてゆく。
山家の娘や、老人や、若い者たちまで、新しい衣裳を着て、芳賀郡の大内へ――柳島の建立を見に――詣でに――たいへんな人出なのである。
平次郎は、びくびくとして、その人たちの中にまじって入って行った。自分の袂にさわる人間にもぎょっとした。しかし、人に馴れるに従って、大胆になってきた。彼は、いつのまにか、にこやかな笑い顔を作り、平然と装って、
「よいあんばいですな」と、そばの者に話しかけたり、
「よう、おはよう」と、仲間の者を見ると、こっちからわざと挨拶して行ったりしていた。
「平次、おめえは、仕事着のままじゃねえか。どうして今日は、垢のつかねえ衣裳を着てこねえんだ。お吉さんといういい女房もついているのに、気がきかねえ」大工仲間の老人にいわれて、平次郎は、ぎょっとしたが、
「ところがね、あのお吉が、ゆうべ隣村の身寄りの者の家へ行ったきり、どうしたのか、今朝まで帰ってこねえんでさ。……で、面倒だから、つい、いつもの仕事着で来てしまったんですが、これじゃいけねえんですか」
「わるいことはないが、今日は、仕事は何もありゃあしねえ、みんなお上人様のお式を拝みに来ているのだから……」