Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

九

坂東武者上がりの熊谷蓮生房は、なんのためらいもなく、信の座へ着いたが、人々は、

(あれは神経のあらい人だ。先に釈の信空と、聖覚法印が信の座へ着いたので、それで、自分も追従したに過ぎない)こう見ているのであろう、むしろ彼の態度を、軽蔑するように、じろじろ眺めて、そして自分たちの態度は、なお決しかねているのだった。

執筆役の善信は、机のうえに紙をのべ、筆を握って、

(これだけの門徒のうち、どれほどの数の者が、真の信仰をもっているか)――を、じっと、恐いような気持と、真摯な興味をもって、眸をすまして、その実証が数に出るのを待っていた。

――だが、誰も咳声もしなかった。無音から無音へ、ときが過ぎてゆく。

「? ……」寂としたきりである。――と、善信の手にある筆が、さらさらと紙の上に微かに走った。

信の座

彼は、自分の名を、その下へ署名したのである。すると、やや間をおいて、

「わしも、信不退の座につらなり申そう。善信、法然房の名を信の座に書かれい」

上人の声であった。

数百名の門徒たちは、はっと思ったように顔いろを革めた。しかしもう遅い気がして、

「わしも、そう思ったのじゃが……」