Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
六
初めは脱兎のごとく、終りは処女のように、四王院がそこそこに座をすべると、他の若法師たちも、気まりわるげに、退散してしまった。
六
朝はまだ早かった。
霧に濡れている一山の峰や谷々で、寺の鐘が、刻をあわせて、一斉に鳴りだした。
揺するように、横川で鳴ると、西塔や、東塔の谷でも、ごうん、ごうん……と鐘の音が答え合った。
「おや、当院の鐘は、どうしたのじゃ」西塔の如法堂で、学頭の中年僧が、方丈から首を出した。
「鐘楼へは、誰も行っていないのか」
「けさの番は、朱王房です、たしか参っているはずです」と、中庭を隔てた学僧の房で、多勢の学僧たちが、新しい袈裟をつけながら返辞した。
「耳のせいか、わしには、聞えんが……」
「そういえば、鳴らんようです」
「困るではないか。今日は、根本中堂で、範宴少納言の授戒入壇式が、おごそかに上げられる日だ」
「吾々も、これから、阿闍梨に従いて、参列することになっています」
「それよりも、一山同鐘の礼を欠いては、当院だけが、中堂の令に叛く意志を示すわけになる。台教興隆のよろこびの鐘だ。――誰か、見てこい」
「はっ」学僧の一人が、駈けて行った。
鐘楼の下から仰ぐと、誰かそこに立っている。