Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
七
「そんなことはない、興に入って聞いていた」
「いや、そうでございますまい。盲人の勘にはわかります。また、自分の撥にかけている糸の勘でもわかります。今夜の主客は、時々そら耳になっておいででした。食らえども味を覚えず、聴けども音をわきまえず、そういう空虚を時々あの席で感じたのでございます。これは、私の弾じる琵琶の技が足らないかと思って額に汗をして語りましたが、やはりそうではありません。芸味はすべて聴くもの聴かす者が一体になった時に神に入ります。あなたのお気持が、時々ぷつんと糸の切れたようにどこかへ離れて行く。――どこへ行くのであろうと私はひそかに心で探っていました。すると、私のいた左側から留木の薫りがぷうんと漂ってまいります。あなたは確かに玉日様に心を奪られていたに違いありません」
「…………」範宴はぎょっとして盲人の窪んだ眼を見直さずにはいられなかった。何とずばずばとものをいう法師だろうか、いやそれよりも怖いような六感の持主ではあるまいか。範宴は、足をもどしたくなった。すると峰阿弥は、
「おかけなさいまし」と、築山の裾にある亭の柱を撫で、そこにある唐製の陶器床几をすすめた。