Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

六

「でも、それが、悪因悪果というものです、妻や、子の呪いだけでも」

「おのれは、良人がそうなる日を待っているのかっ」

「そうなったら眼がさめるでしょうから」

「出て行けッ」蹴とばすと、ひいっと、田弓は泣き仆れた。――と同時に、彼女は眼をつり上げて、わが子の寝ている部屋へ走りこんだ。

「――あっ」と、年景は、後を追って行った。なぜならば、もういつもの半狂乱のていになった田弓は、そこに仲よく遊んでいる頑是ない二人の幼児を、縊め殺しかねない血相で抱きしめ、手に、懐剣を抜いているからだった。――飛び込んで行って、

「な、なにをする」年景が、懐剣を引ッたくって庭のかなたへ遠く抛ると、そこの樹陰にたたずんでいた一人の僧が、

「……あぶない」と、静かにいって、飛んできた懐剣の光から、そっと身を交わした。破れ笠をかむって、竹の杖をついていた。――年景が、ぎょっとして、その僧を睨めつけた。

「……ご主人でござりますか」僧は、いんぎんに、笠のまま頭を下げた。

「誰だっ……何者だっ、そのほうは」年景は、見も知らぬ他人に、見られたくない所を見られて、腹立たしかった。縁へ突っ立って、傲然と叱りつけたのである。