Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

二

「お召しでございましたか」

「む……」法然の眉は霜のようにちと峻厳であった、琥珀のように茶色をおびたいつもの眸がじっと湛空の面を射た。

「――昨夜、この法然が、称名しておる折に、近くの室で、咳ばらいをしたのはおもとでござったの」

「はい、私でございました」

「なにゆえに?」

「は」

「なにゆえに、さようなことをなされたか、申されい」

「…………」湛空は、案に相違した師のきびしい語気に、肩を竦ませたままであったが、

「……されば」と唾をのんで答えた。

「ゆうべは、臥床の中にあっても、爪も凍るかと思う寒さでござりました。その深夜に、ふと上人の御称名の声を聞きまして、勿体なや、あの御齢に――とありがたさにお居間に近づき、四隣は眠り、人はみな知らぬ時刻ではあれど、わたくし一人は、ここにいて聴聞いたしておりまする――侍坐いたしておりまする――さような心持を持って、何気のう咳ばらいをしたのでございまする」法然は、それを聞くと、近ごろにもいつにもめずらしい不機嫌で、声を励ましていった。

「湛空一人のみならず、皆もよう聞き候え。この法然が念仏を申すのは、人に聞かそうためではさらさらない。