Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

九

「箭四郎、箭四郎」供待ちへ、こう呼びたてて、範綱は、あわただしく牛輦の裡へかくれた。そして、揺られゆく途々に、ふとまた、不安なものを感じてきた。法皇のおことばに、もしや表裏があるのではないかという点だった。浄憲法師には浄憲へいうように、また自分には自分に対して下されるように、扱らわれているのではないかという疑念である。

なぜならば、策士にかこまれている法皇御自身がまた、ひとかどの策略家でいらせられるからであった。

九

それ以来、範綱は、病気といって引き籠っていた。

一室に閉じ籠っていても、世間の物音は、ごうごうと、聞えてくる。

(また、山法師の強訴じゃ)

(白山の僧が、神輿をかついで、延暦寺へ押しかけたそうな)

そんな噂は、もう珍らしくもない。政治好きな法皇でさえ、山門政策には手を焼かれて、

(双六の賽と、山法師ばかりは、朕の心のままにならぬ)と、嘆じられたという。

その僧徒たちが、示威運動をやったり、延暦寺の座主が、そのために流されたり、院の政務も、洛内も、騒擾を極めていたので、新大納言一派の暗躍も、五月中は、ついに、法皇へはたらきかける機会がなくて、過ぎてしまった。