Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
四
三十一歳までの清浄身を、擲って、現在の僧侶にいわせれば、汚濁の海、罪業の谷ともいうであろう、蓄妻肉の徒になろうという意志を固めているのだ。所詮、叡山は二度と自分を容れまい――容れる雅量があるまい――今日が別れである。あしたは、綽空一箇を法敵としてこの山は鳴り怒るであろう。彼はそう思いながら、飯室谷を去った。
だが――彼の信念がそうしていかに強く固まってさても、玉日姫を力で奪ってくるわけにはいかなかった。また、彼の夢みている大誓願も、彼女以外の女性では絶対にならないのである。綽空はまた、以前とはちがう苦悶に堕ちた。
(どうしたら彼女を獲られるか)それを考えることは、真理の影を追うよりも困難に思われた。誰よりも、人間として自分を知っていてくれる師の慈円ですら、黙して答えなかった。
「いっそ月輪殿へ、自分で――」と考えつめることすらある。しかし、それがいかに狂人に似た振舞であるかをも同時に思わずにはいられない。
今、玉日姫は、世間のうわさがうるさいために、西洞院の別荘のほうへひそかに身をかくしているといううわさである。例の天城四郎が館を脅やかしてから侍女の万野もその後はふッつりと岡崎へすがたを見せない。