Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

四

――三十年の懊悩をみぐるしゅう経てきたわしと、ついきのう念仏に帰依した生信房と――較べてみよ、どれほどの差があろうぞ。……わしはむしろ彼に教えられている。

わしも本体の愚のすがたに帰ろうと思うのじゃ。そして、いっそう真の念仏を――凡夫直入の手びきしようと存ずる。――名も今日よりは、愚禿とかえる。昨夜ふと真如の月を仰ぎながら、親鸞という名もよいと思うたゆえ、その二つをあわせ、愚禿親鸞とあらためた。――愚禿親鸞、なんとふさわしかろうが」

「はい……」生信房もふかい内省にひき込まれていた。それ以上答えができなかった。善信はその日から、自分を愚禿とよび、名を親鸞と改めた。一同へも、告げた。

冬になる。やがて――春がくる。伸びた黒髪に、網代の笠をかぶって、親鸞はよく町へ出て行く。着のみ着のままの破れ法衣――見るからに配所の人らしくいぶせかった。だが、彼の頬には、いつも誰に対しても、人なつこい親しみぶかい、愚禿の微笑みがかがやいていた。

国府を中心にして、新川や頸城あたりから、ある時は、赤石、小田の浜の地方まで、親鸞は、ひょうひょうと布教にあるいた。

彼のすがたが、道の彼方から来るのを見かけると、