Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

――親鸞は、今日も、国府から四里ほどある漁村をすぎて、裏日本の青い海ばたを歩いていた。

すると、この辺には見馴れない眉目のよい女房が、磯べを悄んぼり彼方から辿ってくる――摺れちがって、ふと、

「はて、どこかで――」と、親鸞は、小首をかしげながら振り向いた。女は、摺れちがった人も気づかずに、波打ち際を、俯つ向いて行きすぎた。

「もし……」こう声をかけると、女は初めて驚いたようにこっちを見て、

「あ……」眼をみはった。

親鸞が歩み寄って行くと、どう考えたものか、女は突然、まっしぐらに反対の方へ走り出した。親鸞は手を振りあげた。

折よく、彼方から二、三名の漁師の姿が見えたので、親鸞は、それへ声をかけたのである。

漁師たちは、逃げてくる女をつかまえた。人々にかこまれると、女は砂の上へ打ち伏して、泣きくずれた。

六

「オオ、山吹さまだ」漁師たちは、その女性をよく見知っていた。

驚いた顔つきで、口々に、

「このお方は、お陣屋のお側妾さまだが――お上人様――どうしたわけでございます」

「わしも知らぬが……ふとすれちごうた折に、ぞっと、わしの心に寒いものが触れた。この女子は死に場所をさがして歩いているな――と、こう感じたゆえ、呼びとめると急に走りだした」