Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
音がする――
学舎の往き帰りに、さかんに、そんな歌がうたわれた。
まったく、十八公麿のような古車で通ってくる者は一人もない。家の近い者は、従者に、唐傘をささせて来たり、綺羅びやかな沓をはいて通うし、遠い者は、蒔絵車や螺鈿車を打たせて、牛飼にも衣裳をかざらせ、
「おれの牛は、こんなに毛艶がよいぞ」と、牛までを誇った。
そうした中に、学舎のうちでも最も年上な一人の生徒がいた。十八公麿はわすれていたが、お供の介は見覚えていた。小松殿の御家人、成田兵衛の子である。まだ十八公麿が日野の館にいたころ、強かな仇をした小暴君の寿童丸なのである。
寿童は、知っていた。
虫が好かないというのか、いまだに、あのことを根にもっているのか、とかく、意地がわるい。そして、
貧乏車の音がする――という歌を流行らせた発頭人も彼であることが、後にわかった。
「介、あの悪童が、張本じゃ、和子様のため、何とかせねばいかぬ」
「うむ、懲らしてくれたいとは思うが」
「一つ、この拳固を、馳走してやろうか」
「よせよせ」
箭四郎が、しきりと逸るのを、介はあぶながった。
介も、当然、憎々しくは思っているが、いかんせん、平家のうちでも、時めいている権門の子だ、侍の子だ、それに、学舎に通ってくるのでも、毎日五、六人ずつの郎党が車についてやってくる、撲りなどしたら、