Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

「ああ」伸びをしたり、

「肩がこった」と、自分で叩いたり、

「麦餅が食いたいな」と食慾をつぶやいたりして、陽溜りに、くるま座を作って、談笑していた。

ひとりが、どこからか持ってきた麦餅を、盆に盛って、

「喰べんか」自分が先に、一枚とって、ばりばりと、噛む。

「もちっと、塩味があると美味いのだが、この麦餅は、麦の粉ばかりじゃないか」

「ぜいたくをいうな、塩でも、なかなか近ごろは、手に入らぬ」

「せめて、塩ぐらいは、われわれの口へも、豊かに入るような政治が欲しいものだ」

「今になるよ」

「源氏が天下をとればか」

「ウム」

「武家の天下の廻り持ちも、あまり、あてにはならん。――天下をとるまでは、人民へも、僧侶にも、いかにも、善政をしくようなことをいうが、おのれの望みを達して、司権者の位置に就くと、英雄どもは、自分の栄華に忙しくなって、旗を挙げた時の意気や良心は、忘れてしまうよ」

「それでも、現在のままでいるよりはましだ」

「この叡山の上から見ていると、栄華も凋落も、一瞬の間だ、まったく、浮世の変遷というものが、まざまざとわかる」

「つい昨日までは、天下の春は、六波羅の政庁と、平氏一門に聚まって、平氏の家人でなければ、人にあらずといわれていたのが、今日は、源氏調伏の祈願に、浮身を窶していなければならないとは、なんという醜態だろう」