Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
「ほ、範宴様を、おたずねか」
「そうです」性善坊は、そういわれて、どこか聞き覚えのある声だとは思ったが、思い当る者もなかった。
「範宴様は、根本中堂の宿房においでになるが、して、おもとは」
「東山の弥陀堂にいる孤雲という菰僧でございます」
「なんの御用で」
「すこし、お願いやら……またお顔も見たいと存じまして」
「以前に、お会いしたことが、あるのですか」
「はい、ふしぎなご縁で、六条のお館に、捕われていたこともございますし、また、その後も、一、二度」
「やっ」性善坊は、びっくりして、
「成田兵衛の家人、庄司七郎どのじゃないか」
「あっ……」かえって、その七郎のほうが、びっくりしたように、光る眼を、大きくみはって、しばらくじっと性善坊の顔を見つめていたが、
「おお、貴殿は、そのむかし、日野のお館にいた侍従介どのか」
「そうじゃ」
「これは……めずらしい」今は、孤雲とよぶ庄司七郎の菰僧と、性善坊とは、かつての争いも、恨みもわすれて、手を握りあって、互いの変った姿に、しばらくはことばもない……。
九
「どうしたのじゃ、七郎どの。――いや孤雲どの」
「まあ、聞いて下さい」庄司七郎の孤雲は、岩に腰をおろした。