Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
範綱、有範、宗業。こういう順に、男のみの三人兄弟ではあるが、長兄の範綱は歌人だし、中の有範は、皇后大進という役名で、一時は御所と内裏とに重要な地位を占めていたが、今は洛外にああして隠遁的にくすぶっているし、末弟の宗業は、書記局の役人で、どれもこれも時勢に恵まれない、そして生活力に弱い公卿ぞろいなのである。
そのくせ、当代、和歌では、藤原範綱といえば、五指のうちに数えられるほど著名な人物であるし、また末弟の宗業も、天才的な名筆で、早くから、写経生の試験には合格し、十七歳のころには、万葉集全巻を、たった十日で写したというので、後白河帝の御感にもあずかったほどな、秀才なのであった。
だが、どんな天才でも秀才でも、歌人や、書家では、今日の社会が、その天稟を称えもせず、用いもしないのである。それが、藤氏や源氏の家系の者の場合は、なおさらのことで、むしろ、自分を不幸にする才能とすらいえないことはない。
しかし、そうした生き難い世に生きても、兄弟は、心まで貧しくなかった。眺めやる七条、五条の大路には、糸毛の輦、八葉の輦、輿や牛車が、紅葉をかざして、打たせているし、宏壮な辻々の第宅には、昼間から、催馬楽の笛が洩れ、加茂川にのぞむ六波羅の薔薇園には、きょうも、小松殿か、平相国かが、人招きをしているらしく、蝟集する顕官の