Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
「お恥しいことだ」覚明は、憮然としながら、榾火の煤でまっ黒になった天井を見あげた。そして、
「今は、それも前身の仮の名にすぎぬが、実は、拙者は海野信濃守行親の子です」
「えっ」思わず範宴は眼をみはった。
「――では勧学院の文章博士であり、また進士蔵人の職にあった海野道広どのは、あなたでしたか」
「いかにもその道広です。木曾どのの旗挙げにくみして、大いに志を展べようとしたものですが、義仲公は時代の破壊者としては英邁な人でしたが、新しい時代の建設者ではなかったのです。ことすべて志とちがって、ご承知のような滅亡をとげました。拙者も、男児の事業はすでに終ったと考えて、一時は死なんとしましたが、どういうものか、最後の戦いにまで生きのこって、はや、世俗のあいだに用事のないこの一身を、かように持てあましているわけでござる」自嘲するように太夫房覚明はそういってわらった。
七
炉辺の夜がたりは尽きない。
覚明は昼間、範宴の講義を聴いた時から、
(これは凡僧でない)とふかく心を囚われていたが、さらに一夜を語り明かしてから、
(この人こそ、虚無と紛乱と暗黒の巷にまよう現世界の明しとなる大先覚ではなかろうか)という気がした。