Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
力を濃く描いて、鳳眼はほそく、眸は強くやさしく、唇は丹を噛んでいるかのごとく朱い。そして近ごろはめったに外出もせぬせいか、皮膚は手の甲まで女性のように白かった。
だが、ふとい鼻骨と、頑健な顎骨が、あくまで男性的な強い線をひいていた。肩は磐石をのせてもめげないと思われるような幅ひろく斜角線をえがき、立てば、背は五尺五寸のうえに出よう、ことに喉の甲状腺は、生れたての嬰児の、拳ほどもあるかと思われるほど大きい。
この端麗で、そして威のある姿が、朝の勤行に、天井のたかい伽藍のなかに立つと、大きな本堂の空虚もいっぱいになって見えた。
口さがない末院の納所僧などは、
「御門跡のあの立派さは、どうしても、童貞美というものだろうな」などと囁き合った。
けれど、師の幼少から侍いている性善坊は、どうしても、
「だんだん、母御前の吉光さまに生き写しだ」と思えてならない。
ただ、濃い眉、ふとい鼻ばしら、嬰児の拳大もある喉の男性の甲状腺――それだけは母のものではない、強いて血液の先をたずねれば、大曾祖父源義家のあらわれかもしれない。
「では、参ろうかの」民部の迎えに、その姿が、今、円座を立って、聖光院の車寄せへ出て行った。