Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
これでは、いくらお迎えに参っても、分るはずはございませぬ」
「いや、西洞院から東の大路は、なにやら、六波羅に異変があって、往来を止めてあるとのことで……」と、送ってきた従者が答えると、性善坊は、不審な顔をして、
「はて、あの大路は、つい先ほども幾たびとなく、師の房を探すために往還りしたが、なにも、さような気配はなかった」
「でも、明らかに、役人が辻に立っていて、そう申すので、やむなく、並木からこの畷へ出てきたが、馴れぬ道とて、いっこう分らず、困じ果てていたところ、お弟子衆が見えられて、ほっといたした」
「ご苦労でござった」と、覚明も共に、礼を述べて、
「これから先は、吾々両名でお供して帰院いたすほどに、どうぞ、お引取りねがいたい」
「では、牛車はそのまま召されて」
「明日、ご返上申します」
「いや、雑色をつかわして、戴きに参らせる、それでは、お気をつけて」送ってきた鎌倉者の侍たちは、牛飼も連れて、そこから戻ってしまった。
おぼろな野の中に牛車をとめて師弟は、宵の火事のうわさだの、法筵の様子だのを話しあって、しばらく春の夜の静寂に放心を楽しんでいたが、やがて、覚明は牛の手綱を握って、