Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

そして戯れ言をかわしながらどっとそこで一つ笑うと、声もすがたも、たちまち四明颪につつまれて暗い沢の果てへ去ってしまった。

夢の中の人影を見るように尋有はさっきからそれをやや離れた所からじっと見ていた。所詮、この激流を越える術はなし、夜にはなったし、こよいはこの沢で落葉を衾にして眠るよりほかないものと霰の白くこぼれてきた黄昏れから木蔭におとなしい兎のような形になってうずくまっていたのである。

「おお……」思わず彼は立って巨木の架けられた淵まで歩んできた。

「この身の心をあわれみ給うて、弥陀が架けて下された橋ではないか」彼は先に越えて行った人々の態をまねて、手と膝とでその上を這った。先の者は苦もなく一跳びにして行ったように見えたが、尋有にとっては、怖ろしい難路であった。樹はまだ息があるように動くし、水はすごい形相をもって呑もうとするような飛沫を浴びせる。

尋有は眼をつむって、

「御仏」と硬くなって念じた。

三

仰ぐと、高い所に、ぼちとたった一つの燈が見える。

宙は、無数の星だったが、人間の手に点された光といえばそれ一点しか見あたらない。右を見ても山、左を振返っても山、ただ真っ黒な闇の屏風だった。