Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

「あさ殿、お目あけ……」と、もう幼い兄ぶりを示す彼であった。その兄弟のために召抱え入れた乳母が、ある時、

「介どの、介どの」侍従介を、よびたてて、二人して、仏間のふすまの間から、中をのぞき合っていた。

そして、笑いさざめいているので、吉光の前は、自分の居間を出て、

「和子たち、何を見ておりますか?」と、後ろから訊ねた。乳母は、

「まあ、ご覧じませ、あのように、十八公麿さまが、小さいお手へ、数珠をかけて、御像を拝んでおいでなされます。誰も、教えもせぬに、何というしおらしい――」と眼をほそめて告げるのであった。

「ほんに……」と、吉光の前の眸にも、思わず微笑がただよう。

子は、母の鏡であった。黒業も白業も、自分たちのなすことはすぐ映してみせるのである。彼女は、おそろしい気がした。

「お母さま」人々の気配に気づくと、十八公麿はふりかえって、数珠をすてて彼女の膝へすがった。壇のまえに坐って、拝んでいた相には、無邪無心の光があって、仏の再生でもあるように、何か尊いものに心を打たれたが、そうして、母の膝にからみついて、母の乳に戯れた十八公麿の容子は、やはり世間の誰の子とも変りのない子どもであった。