Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

「それみい。どうせ、行かねばならぬもの、なぜ早く、わしのいいつけに従わぬのだ」やっと、小暴君は、輦の中に納まって、けろりという。

「――はやく、奪ってこい」愚昧な若君だが、こんな懸け引きは上手である。七郎は、いくら主人の子でもと、ちょっと小憎く思ったが、泣く子と地頭だった。

「承知いたしました」気のすすまない足を急がせて、丘の下へ、戻ってきた。

(まだいるかどうか?)むしろ、立ち去っていることを祈りながら、七郎は梅花の樹蔭をのぞいた。見ると、自身で作った三体の土の御像をそこにすえたまま、あの髫がみの童子は、合掌したまま、さっきと寸分もたがわぬ姿をそこにじっとさせていた。

虻のかすかな羽うなりも鼓膜にひびくような春昼である。七郎は、跫音をぬすませて、童子のうしろへ近づいた。――近づくにつれて、その童子のくちびるから洩れる念仏の低唱が耳にはいった。怖ろしい強兵にでも迫ってゆく時のように、七郎は、脚のつがいが慄えてきた。どうにも、脚がある程度を越えられない気がした。いっそのことやめて引っ返そうかと惑った。

寿童の呼ぶ声が、おうウいと、彼方で聞えた。彼は、主人の邸へ帰った後の祟りを考えて眼をつぶった。