Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
と、絶叫する若者だの、
「これを上人様に――」と、真心こめた餅や、紙や、花などの供物を捧げる老媼だの、
「せめて、お足の痕の土を」と、輿の通った後の砂を紙にすくっている女だの、名状し難い哀別のかなしい絵巻が、到るところで描き出された。
「――さらば」と、大地に坐って伏し拝む人々とまじって、月輪の老公は、大宮口まで従いてきて、その輿を見送り、すぐ牛車を返して、岡崎のほうへ急いだ。
――もう一刻後の卯の下刻には、上人を見送ってまだ乾く間のない涙の目で、さらに、わが息女聟の善信を、こんどは、北の雪国へ向って送らなければならなかった。
日野善信
一
花明りであろう、ほのかに廂の外は白い。音もなく、まだ人声もなく、ただ微かにうごく花の香のうちに、暁は近づいている。
「……吉水の上人には、はや今ごろは」善信は、持仏堂を出て、縁に立った。未明の空を仰ぎながら、ふとつぶやいて、憮然となった。
「…………」遠心的に、彼のひとみは、今朝、都を離れてゆく上人の前途をそこから見送った。――と共に、自分もこれから間もなく、この岡崎の草庵から、雪の越路へ立って行かなければならない身であることを思う。