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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
それで事もなく宴会が終れば、それはむしろ甚だ人をバカにし人を軽く見たようなものであるが、幸いにも誰もバカにされずに、首尾一貫してゲリラの精神に添うことができた。めでたい話で、いかにも時代風俗であったと云えよう。
二人は正面を向いたままでは相手の顔が見えないのだから、各々首をねじまげて遠く人々の頭ごしに睨み合って
「オレが強い」
「お前が弱いや」
と、しまいには強い弱いと力一パイの声で喚き合うだけになってしまった。
しかし、むろんゲリラの中に拙者の一人存在する限り、必ず喧嘩がはじまるかも知れないが、必ずまるく収まるのもフシギなもので、頃合いをはかって、二羽のシャモの喚き立つうちに、宴はめでたく終りとなった。
さて我々は明日の対局場でもある旅館へおもむいて寝ることになったが、強い弱いで喚き合ってすぐ眠るわけにもいかないから、三人で碁を打つことになった。
木村も升田も碁は腕自慢だし、私も文士のうちでは強い方だ。みんな同じぐらいの腕前で、強い弱いを碁に持って行って争うぶんには平穏である。碁を打つうちに升田の酔いもいくらかさめたし、碁は打ち分けに終ったように思う。