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あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页

青空文庫

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ところで秀吉の狂気は、信長の遺伝のようなものでもあった。

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信長がひところ切支丹の最大の保護者であったことは人に知られているが、晩年に於て切支丹の敵となり、外国宣教師の呪いをうけていることは案外知られていない。

なにぶん信長の伝記作者の目から見ると、切支丹の問題はさしたることではなかったから、具体的にどんな弾圧をしたかということはよく分らないが、外国宣教師が本国へ送った報告によると、信長が悪魔にみいられて信教の敵となり、そのあげく奇妙なことを発案し実行しつつあるように伝えている。

それによると、信長は安土城内に総見寺をつくり、その本尊として釈尊ではなく、彼自身の像を飾ることを考えている。信長は日本中の人間に自分の像を礼拝させる野望にみいられて悪魔になったというのである。

安土城と総見寺が完成して今日に残っていると嘘か本当かも分るし、とにかく信長というはなはだ独創的な人物の独特の着想も知ることができるのだけれども、わずかに土台ぐらいしか残っていないから、何も分らない。

しかし、切支丹教徒の邪推にしても、信長が自分の像をお寺の本尊にして、日本中の人間に礼拝させる野望につかれているというのはいかにも独創的で面白い。