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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
ささやかな愉しみ
「そうだとも。じっくり考えてみるべい」
というので、煙突の代りに炭を発明した。これが運の尽きで、冬期の眼病はまぬがれたが、冬は全然暖くならなかったのである。
どうも日本人の発明には、こういう凝ったところがある。冬をより暖くするよりも眼に適したように改革するという風情に富んでいるのである。
サムライのチョンマゲなんぞも非常に秀でた発明であったかも知れない。
「コレ、コレ。どうも人間は、年をとるとハゲるな」
「無念ながら、そのようで」
「人間のハゲにはヒタイからハゲるのと、脳天からハゲるのと二種類あるな」
「御明察で」
「この両方のハゲが分らぬようなマゲを発明いたせ」
というのでチョンマゲができたのかも知れないな。とにかく、日本人は工夫の好きな国民であるが、思いつきの根本がトンチンカンな国民である。
ささやかな愉しみ
わが家の北西に小さなコンクリート製の池がある。池の向うのクサムラと縁の下の間を、時々フッと影ともカゲロウともつかないものが行ったりもどったりするのである。
はじめは池の水面が起す物理現象の類いかと思っていたが、日暮れちかくなると、特にそれが起って、どうも姿はシカととらえがたいけれども動物のようである。