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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
寄りの三根
寄りの三根
「うッちゃり」のアベコベの寄りでは、三根山が現役中の専門家である。
彼は相手を土俵から寄り出すことしか考えていない。相撲は土俵という制限の中の競技であるから、当然こういう専門の狙いをもった力士が現われてよろしいわけだ。したがって「うッちゃり」専門の力士が現われてもよろしいわけなのである。
三根山は立った瞬間に寄っている。そのまま一気に寄りきれば勝つが、途中で食いとめられると、九十五パーセント負けてしまう。二、三年前までは百パーセント負けた。
三根山は私と友だちの唯一の力士である。私のウチでは三根山の取組をラジオできいているとき
「立ち上りました、立ち上りました」
と云ったとたん、一、二秒でワーと観衆の声がきこえると、
「三根山が勝ったよ」
と云い合って、みんなでニヤリと顔を見合せる。
立ち上って、二、三秒、五秒ぐらいすぎても勝負がきまらないと、女房が
「ラジオ止めましょうか」
と云う。私はやや助平根性を起して
「マ、待て、待て」
と云うが、十秒たって勝負がきまらなければ、もう待つことはない。
「ラジオ止めちまえ」
ということになってしまう。彼の勝つときは大がい一、二秒の相撲である。