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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
文士の碁将棋
と云ったら、
「冗談じゃないよ。汚ならしい坊主と同じワンに口をつけて飲みわけるのは、やりきれやしないよ」
と渋い顔をした。その顔が今も忘れられない。さぞイヤなことだろうと同感もした。
文士の碁将棋
二三年前まで近藤日出造君の編輯による『漫画』という雑誌があった。漫画的な社会時評に重点をおいたかなりシンラツで肩のこらない良い雑誌であったが、売行きは悪かったらしい。ちょっと高踏的でありすぎたのかも知れない。
ある時、私が呉清源と本因坊の十番碁を観戦していると、近藤君が婦人記者をさしむけてよこした。碁について十枚ばかり『漫画』に随想を書いてくれというのだ。
「碁の随想って、格別そんなのも持合わせがないよ」
と私が答えると、彼女の返答が奇想天外である。
「なんでもいいんです。たとえば……いったい、白い石と黒い石を並べて、どこが面白いんですか」
私が言葉に窮していると
「大の男が石を並べてどこが面白いのか私には分らないんですけど、私ばかりじゃありませんわ。たいがいそんな風に考えてるらしいんです。ですから、大の男が石を並べてなぜ面白いか、あるいは面白くなくともいいんですけど、そんなことを書いていただけたら……」