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あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页

青空文庫

バカの仕放題

平凡で小心なタイプであるが、こういう人が天下を握って家をまもるという段になると、やたらに近親を疑って謀殺に励まざるを得ないような狂気も察せられようというものだ。

もともと狂的な人がエラくなっても、凡人がエラくなっても、権力を握るということは、なかばキチガイの門を開くことを意味するのではないかと私は思う。

他の時は知らず、特に昨今においては、世界も日本もその傾向はなはだいちじるしいように私は思っているのである。

バカの仕放題

昨夕フラリと浅草へ遊びに行った。ちょうど一年目だ。自然、淀橋太郎とか森川信というような浅草生えぬきの旧友と飲み屋で顔が合う。話は自然に余人の旧悪に及ばず、主として拙者の旧悪のみが酒の肴となるのは不徳の致すところであろう。

なるほど人にいわれてみると、私はバカの仕放題をしてきたようである。その一端を御披露に及び、諸賢の興を添え、あるいは興をさますのも、バカの務めの一ツかも知れない。それは九州に多少の縁がある話でもある。

それは戦局不利に傾きつつある大晦日のことであったが、私は徹宵泥酔に及んで某女優に数時間にわたって結婚の儀を申し入れて叱られるような賑やかな出来事があって、そのアゲクに塚本のデブチャンという非常に義侠心に富み、働けど働けど女房に軽蔑され、また常に失恋しつつある人物にいたく