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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
目的を失った脱獄囚
我々の人生は、死ねば白骨となるものではなく、生きてるうちが花の人生だ。与太郎のようなのは、利口そうにみえるバカというべきだろう。
ところが与太郎のような返事がすぐれたものだと思っている人がある。議会の答弁や腹芸なぞと云われているものが大がいそうだ。個性をはぐらかした答弁は、与太郎程度のバカにもできることで、個性を明確にすることの方が実はむつかしいことなのだ。
目的を失った脱獄囚
死刑囚が脱獄したというので、その夜の東京は戒厳令下のような物々しさであったらしいが、翌日事も起さずに京都で縛についたのはおめでたい。
彼らが脱走直後誰何をうけたときは、一人は本名を名乗り、一人は実物の外人登録証を示して、不逞な気概当たるべからざるものがあったようだ。
ところが、翌日京都で誰何をうけたときは、疲れきってトボトボ歩いておって、前日の不逞な気概はもうなかったらしい。
毒を食わば皿までと云って、どうせオレは死刑になる身だからと、自分の生存慾をとげるために無造作に人殺しを重ねそうに思われるけれども、人間はそう理づめ一方に行為できるほど単純な動物ではないようだ。
人を殺したその場に於ては血に狂って、毒を食わば皿までと、無抵抗な幼児などまで一撃のもとに殺すような例は多々あるようだが、いったん興奮がおさまれば、オレは死刑になる身だ