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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
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「この町に殺人鬼が現れて――たとえばアンゴという怖るべき殺人鬼が現れて、山ツツジで人を殺したら、この町の医者には死因が分らないな。よーし、次から次へと殺してやるぞオ」
「おどかすのは止しなさいよ。アナタは目ツキが変だから、心配するよ」
ところが人生はよくできてるもので、私が山ツツジの毒の所在について転々ハンモンしているところへ図書館長が文化会の用件で現れた。
この老いたる館長は非常な篤学者ときいていたから、私はきいた。
「赤城山のツツジは山ツツジだそうですね」
「左様です。赤城のほかに富士山なぞにもこの種のツツジがあります」
「山ツツジには毒があるそうですが」
「ございます。むかし赤城には放牧しておったのですが、牛馬も知っておると見えまして、ツツジはよけて食べ残しましたので、あのように面白い形にツツジの群が残ったのかも知れません」
「どこに毒があるのですか」
「花にも、葉にもございます。毒と申しましても、腹痛を起す程度で、よほど多量に食べなければ生命に別条ないと思いますが」
これによって、殺人鬼の件もオジャンになった。実はその毒性次第では「ツツジ殺人事件」という探偵小説を書いて一モウケしてやろうともくろんでいたのである。