轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页

青空文庫

つまり本職も自分の借金の言訳はできないのである。私はその本職の借金を言訳してやった。

どんな執念深い債鬼が押し寄せても人の借金の言訳ならなんでもないものだ。むしろ敵が執念深いほどハリアイがあるぐらいタノシミもでてくるもので、

「なんだい、今の奴は。やにアッサリ帰っちまいやがったな」

なぞと物足りない気持になる。敵が債鬼然とした風貌をしていると、さてこそ来たれとおのずから私の身構えも変り、とたんにイソイソと、

「やア、いらっしゃい。本日はお寒い陽気で、都大路を山風が吹き走り」

とニコニコしながらモミ手をして出むかえるような心境になるものだ。

同じ他人の借金でも、取立ての方は決してできるものではない。取立てるということは積極的な事実であるが、言訳の方はもともとゼロで、こっちも元々手ブラであるし先方も手ブラで帰るだけのことだから、そこにおのずから詩境も生じてくるのであろう。

総じて借金というものは、無を本質とするせいか、あるいは時々無から有が生じる奇跡もあるせいか、甚だ詩境に通じているもののようである。詩境を会得しないと借金の哀れさが救えないせいもあるかも知れない。