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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
つまり立ち上ったとたん寄りきってしまう。食い止められると、九十五パーセント負ける。なぜなら彼は非力だからである。
彼は身長は私と同じぐらい、六寸五分ぐらいである。しかし、骨格は私の方がシッカリしているかも知れない。しかも、彼は甚しくふとっている。つまり甚だ弱々しい骨格の上に人の何倍もある肉をつけているだけなのだ。だから、力がないのである。ただ体重の重さをきかせて寄る一手である。
その代り相撲とりになって以来、他の何事も考えずに寄りの一手にぶちこんできた。巴潟という彼の師匠が選んで教えた一手なのである。
むろん相手の力士は三根山が寄りの一手で出てくることを百も承知でその用心専一に心がけているところへ、あくまで寄って出るのだから、十数年この一手でみがきあげた寄りとはいえ、楽じゃない。
「たまには投げて勝ってみせろよ」
酔っ払った私が、ついむごいことを言うと、三根山はションボリして
「巡業中、その稽古をしていますが……」
と口ごもる。稽古は熱心だが、非力だから無理なのだ。ふとり方が異常なのだ。
「もう五貫ふとりたい」二十七八貫のころ、そう云っていた。重さで寄る以外に手がないからだ。