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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
ノド元すぐればで我々はもう忘れているが、戦争というものは、このような天下のバカ殿様が名君になってしまうほど怖しいものなのである。
ところが徳川時代には、事実において、これが名君で通ったのだから、民の生活というものは陰惨で救いがたい。立派な大身の士ですら小鳥を飼うこともできない。百姓や女子供にノビノビと自由をたのしむことなど一瞬といえどもありえようとは思われない。
ところが、これがまた素人考えというもので、町人百姓はずっといじめられ通しでいながら、実は侍のもたなかった自分のタノシミや文化というものをいつもちゃんと持っていた。下は盆踊から上は天下の芸術に至るまで民は殿様の鳥カゴの中に入れられながらも自分の文化を放したことはないのである。
むしろこのようにいじめられてひそかに身につけた自分だけの秘密の文化というものは自由に許されたものよりも香りが高く、独特な風格を持つにいたるのかも知れぬ。
私はそのようなものの現代版として宝塚少女歌劇を思うのである。
女大学の風潮が現代まで残存して日本の少女をいためつけ、いびつにした産物として現われてきた奇形児の如くでもあるが、同時に、それ故にひそかに、まためざましく生育した独特な芸術でもある。