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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
潤さんはこの母屋に人が住んでいないことを知っていたが、まさか人に貸すとは思わずに、念のため訊いてもらったのだそうだ。すると意外にも実にアッサリ貸してくれたのだそうで、私も引っ越してみて、貸すのが当り前だと思った。
誰かが住んでいなければ、夜な夜な怪風吹き起り、日中といえども台所や座敷などにツムジ風などが起り、ネズミその他のジャングルとなるであろう。かと云って、タダモノの住みこなせる家ではない。第一、当家の人々が奥の方に然るべき住み心持よき家をつくって移住しているほどだ。トラック一台の荷物なぞは、片隅のゴミのようでしかない。
どうしたら人間が住めるであろうかと皆々が思案投首というところへ、文左衛門さんがやってきて、
「山寺のようでしょう」
と云う。まさしくその通りだから
「まったく、そうです」
「御挨拶ですね。オヤ、あなた、ゴルフをおやりですね」
「やりません」
「道具があるじゃありませんか」
私は返事をしなかった。ゴルフの道具はある。たしかである。しかし、ゴルフは知らない。たしかである。そのナゼであるかは、何年前かに文六さんのウィスキーの肴にされたテンマツから話をしないと、誰にもわかってもらえない。