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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

(兄上はどうなされたか……。九十郎をお討ちなされたか? それとも返り討ちになられたか?)

あの時の様子……剣技の相違……それから推し計ると返り討ちに! ……これに近いように思われた。

(不運の兄妹! わたし達!)

織江は眼をあげて又助を睨んだ。

眼で睨む、このことばかりが、彼女に出来る所作であった。

又助の手がヌッと延びた。

「あッ」

と思わず声を上げ――それも口から外へは出ず――ある限りの残った力で、織江は必死と争った。

両手が宙で泳いだばかりである。

他愛なくその手も抑えられた。

範之丞は船へ引き上げられていた。

水を吐かせられ介抱された結果、幽かに呼吸を吹き返した。

女にしたいような端正の顔が、神経質の細面が、水に濡れた髪で半分蔽われ、さながら水の精のように見えた。

「綺麗だねえ」

と不意にいって、お吉は枕もとに膝を揃えた。

「ナ、何んだって、何をいうんだ!」

腕組みをして船尾の方に立って、面白くも何んともありゃアしないと、そういったような顔をしていた、団八が憎さげに罵った。

「こんな綺麗なお侍さんとなら、一苦労したいといってるのさ」

「多情、淫乱、この阿魔アーッ」