Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい、さようにござります」

ここで貝十郎は打ち案じた。

「今夜あたりが少し物騒、邸の内外警護するよう」

「かしこまりましてござります」

伴作は一揖して立ち去った。

冬次郎の一団が高島城下から、自分たちの一行を尾行けて来て、この塩尻までやって来て、ここからおよそ半里距てている、苗字帯刀を許されている豪農、諸角覚蔵方に滞在している。――ということを知ったので、このお方に一揆を指揮されたら、それこそ大変なことになる。またこっちへ切り込まれても容易ならぬことになると、それを案じて貝十郎が、桐島伴作に命を含め、様子をうかがわせていたのであった。

「お浦」

と貝十郎はややあっていった。

「後継者に関して上様には、どのようなこと仰せられたかな?」

「…………」

その時までお浦はうっとりとした眼附きで、朝の陽の中につばらかに咲き、小鳥が時々やって来て、枝を渡り花弁を散らす、庭の梅の花を眺めていたが、そういわれて貝十郎を見た。

でも何んともいわなかった。

狂った心にも上様のことを、あまり他人に話してはいけないと、そう思ったかららしい。

貝十郎は苦笑いをした。

(この娘の心を占めているものは、いとしい上様一人だけらしい。