Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
……行け……少し待て! ……二刻経っても……二刻経っても我帰らずば……」
声を細くし囁いた。
「よいか」
「は。……しかしながら、あなた様にもご一緒に……」
「それが行かれぬ、危険じゃからよ! ……来たらしいぞ! ……伴作行け!」
伴作の姿消えたとたん、雪洞の光闇に浮かび、冬次郎と熊太郎とが現われた。
「やあ汝は貝十郎!」
「殿。……戸ヶ崎先生にも、また逢いましてござりまするな」
「汝が汝が大胆不敵! ……ううむ土蔵の扉ひらき、桐島伴作とり逃がしたか! ……よいわ、代わりに汝を捕った」
「なりますまい、私事も、お許し受けて立ち去る所存!」
「嘗めるな、いやさ、安く積もるな! 従来はこれまでの交誼思うて、私情はたらかせ見遁がしもしたが、重なる邪魔立て、積もる禍根! 今度は許さぬ、土蔵に閉じこめ!」
「二刻置かば勘助の命、殿、消ゆるでござりましょうぞ」
「ナニ勘助の? さては汝※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「今朝方とらえましてござります」
「案じていたが、帰らぬはずじゃ」
「わたくし伴作逃がす際、二刻経ってわれ帰らずば、殿にお手討ちになったと思い、報復として勘助を刺せと……」