Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
それだのに人形の上様は、
「あれはいったいどうしたのだろうのう?」
と、またもハッキリ声を出した。
「源内様とやらおっしゃるお方が、床へはいる前にわたし達に、刺して下された銀の針の……」
お浦は驚きをいつか忘れ、恋しい上様がものをいうので、嬉しさに心をたかぶらせながら、その時のことを思い出していった。
「そうであったのう、思い出したよ」
上様の人形はまたもいった。
「源内というのは誰だったかのう?」
「平賀源内様にございます」
「そうそう平賀源内だったな……それから何をしただろうかのう?」
「それ前にわたし達は源内様に、綺麗なギヤマンの小さな器で美味いお酒をいただきました」
「そうだったのう、美味かったよ。……田沼はあの時どうしていたかのう?」
「いやらしく笑っておりました」
「そうそういやらしく笑っていたっけ。……それからわたし達はどうしたろうかのう?」
「あのう、うっとりといたしました」
「そうだそうだうっとりしたっけ。……さてそれからどうしたろうかのう?」
「それから妾は田沼屋敷の、恐ろしい凄い数々の秘密を、上様にお話しいたしました」
「そうだ、お前は話してくれたよ」