Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

九

性善坊も、草むらへ坐った。

憮然として、孤雲は、宵の月をながめていた。何か、回顧しているように。やがて、そっと、瞼をふいて、

「――もう、何年前になるか、あの六条様のお館へ、間者に入って、捕まった年からのことです」

「うむ……」

「主人の成田兵衛から、不首尾のかどで、暇を出されたので、家にある老母や妻子にはすぐ飢えが見舞います。そのうちに、京の大火の晩に、足弱な老母は、煙にまかれて死ぬし、妻は病気になる、子は、流行病いにかかるという始末。とやこうと、悪いことつづきのうちに、この身一人、生きながらえて後の家族どもは、皆、あの世の者となってしまい申した」

「それは、御不運な……」性善坊は、慰めようのない気がした。あの、平家の郎党としての兵ぶりは、今の孤雲の影のどこにも見あたらない。

「一時は、死のうかと、思いましたが、戦ならば、死ねもするが、武家の飯をたべた人間が、飢えや、不運に負けて、路傍で死ぬのも、残念でなりません。――そのうちに不幸は、私のみでなく、旧の主人、成田兵衛さまも、宇治川の戦で、何かまずいことがあってから、御一門のお覚えもよからず、また、御子息の寿童丸様は、次の、源氏討伐の軍に、元服して初陣したはいいが、人にそそのかされたか、臆病風にふかれたか、陣の中から、脱走して、お行方知れずになってしまいなされた