轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页

青空文庫

そういう零落した家族が諸方の二階にトグロをまいている。三間も四間もある二階そっくり借りて間代は三円四円ぐらいだ。

もっとも、一般に京都の古い建物の二階というのは、天井が低く小窓があるだけの物置同然の陰気で不要な部分であるから、間貸し賃も格安なのかも知れない。

ところが私の借りた二階は、新築したばかりの建物だ。一応階下は京風に入口の戸をあけるとズッと土間が通っているが、二階は東京風に床間づきの、立派な居間につくられていて、家全体のうちで二階が一番居心地よくできている。その二階全部借りきって金二円だから大そう安い。

その代り、道路一つ距てて前方一面は広々と全部火薬庫なのである。伏見はイナリ様の町でもあるが、当時はまた陸軍の町でもあった。私の住居の前は陸軍の火薬庫で、桝型の山がズラリと並んでおり、その上を銃剣もった兵隊さんが常時グルグルと歩いている。彼がもしも私の友人なら二階の窓から彼と話をすることもできる。

私のような風来坊に火薬庫なぞが心配の筈はない。二階のタバコの火で火薬がバクハツしやしまいし、これはどうも値段が安くて気に入ったと大喜びで引越した。