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あすはてんきになれ
明日は天気になれ
「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页
ソバ屋は薄汚い店ばかりだが、スシ屋は磨き立てたような江戸前の店構えがそろっていて、これだけのスシ屋がみんな盛業中とは呆れ果てたスシ食い族の棲息地である。
桐生市の魚屋は水戸作とか水戸孫とか、たいがい水戸が頭についている。夏になると水戸の海岸へ海水浴のバスがでる。すると昔から海では水戸とレンラクがあったのだろう。今の鉄道地図では、汽車は東京を廻らないと水戸へ行けないから六、七時間かかる。その水戸が一番ちかい海なのだから、海の魚というものは稀代の大御馳走なのだろう。中にもナマの魚肉を用いるスシというものが何よりの御馳走というわけかも知れぬ。
海に遠い京都でも、祭の御馳走はサバのスシときまっている。しかし、さすがに京のサバズシはイキの悪さを承知の上で、それを生かすように特別の工夫をほどこしたスシだから風味はわるくない。
上州のスシは江戸前の握りズシをイキの悪い魚でマネをしただけのものだから、私にはソバの方がどれくらい御馳走か分らないが、土地の人は自宅でソバに食傷しているのであろう。
上州は変ったところで、新年に餅を食べない家が少くない。先祖代々食べないのだそうだ。