轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あすはてんきになれ

明日は天気になれ

坂口 安吾

「西日本新聞 第二四九四六号~第二五〇四六号」1953(昭和28)年1月2日~4月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,679 字 · 228 页

青空文庫

電気ブランの浅草のヤマニバーとともに、財布の軽い呑んべいには有りがたい存在で、私もずいぶんお世話になった。

コップ酒には昔から定まった飲み方がある。皿にコップをのせて酒をつぐ。ナミナミと溢れて皿にも一パイになるように酒をつぐ。これがコップ洒の一パイである。飲み助はまずコップの酒をキューと半分ほどのみ、皿の酒をコップへうつして改めてコップ一パイの酒を味う段どりとなる。

ところが、コップ酒には「半分」という飲み方がある。

「半分おくれ」

「ヘーイ」

と云ってチョッキリ一パイ持ってきてくれる。その代り皿にこぼれていない。けれども、この「半分」を二度飲む方が一度「一パイ」を飲むより量が多い。つまり半分を二度ならコップにチョッキリ二ハイのめるが、一パイだとコップの一パイと皿の半バイで一パイ半しかのめない。

そこでコップ酒というものは「半分」をたのむのが有利と定まっているが、初心者は云いにくいものであるし、常連になっても見栄があって気軽には頼めないウラミがある。

ここの心理をうまく捉えて当てたのが新橋の三河屋である。この店には「一パイ」という酒の売り方がないのである。