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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

四

事実。

そうしている間に、無数の矢や岩石や火器は、うなりをあげ、煙をふいて、寄手の上に降ってきたのである。またたくうちに、全軍の半分以上は、動かないものになっていた。

「敗れた! 負けたっ」

玄徳は、軍を率いてから初めて惨たる敗戦の味をいま知った。

そう叫ぶと、

「関羽っ。張飛っ。はや兵を退けっ――兵を退けっ」

そして自分もまっしぐらに、駒首を逆落しに向けかえし、砂礫とともに山裾へ馳け下った。

四

敗軍を収めて、約二十里の外へ退き、その夜、玄徳は関羽、張飛のふたりと共に、帷幕のうちで軍議をこらした。

「残念だ、きょうまで、こんな敗北はしたことがないが」と、張飛がいう。

関羽は、腕を拱んでいたが、

「朱雋の兵が、戦わぬうちから、あのように恐怖しているところを見ると、何か、あそこには不思議がある。張宝の幻術も、実際、ばかにはできぬかも知れぬ」と、呟いた。

「幻術の不思議は、わしには解けている。それは、あの鉄門峡の地形にあるのだ。あの峡谷には、常に雲霧が立ちこめていて、その気流が、烈風となって、峡門から麓へいつも吹いているのだと思う」

これは玄徳の説である。

「なるほど」