Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

二

孫堅は、振向いて馬上から、弓をもってそれに酬いた。二すじまで射たが、弓はみな反れた。焦心りながら、第三矢をつがえたが、あまり強く引いたので、弓は二つに折れてしまった。

二

「しまったッ――」

折れた弓を投げ捨てて、孫堅また駒をめぐらし、林の中へと逃げ入った。

「ご主君、ご主君」

祖茂は、馳けつづいて来ながら、孫堅にいった。

「――をお脱りなさい。あなたの朱金の※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)は、燦として、あまりに赤いから眼につきます。敵の目印になります」

「や、そうか」

道理で、ひどく追い矢が集まると思い当ったので、孫堅は頭にかぶっていた「」という朱金襴の※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)を手ばやく脱いで、焼け残りの民家の軒柱へそれをかけ、あわてて附近の密林へかくれこんでいた。

見ていると、――案のじょう、その※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)へ雨霰のように、敵の矢が飛んできた。

だが、いくら射ても、射ても※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)は燦爛として、位置も変らないので、射手の兵は怪しみだし、やがて近づいてきて、

「や、孫堅はいない」