Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
二
故霊帝の母公たる董太后も、今は彼らの勢力に拒む力もなかった。これというのも、前帝の寵妃だった王美人の生んだ協皇子を愛するのあまり、何后、何進らの一族から睨まれた結果と――ぜひなき運命の輦のうちに涙にくれながら都離れた地方へ送られて行った。
けれど、何后も何進も、それでもまだ不安を覚えて、ひそかに後から刺客をやって、董太后を殺してしまった。
わずかの間に董太后はふたたび洛陽の帝城に還ってきたが、それは柩の中に冷たい空骸となって戻られたのであった。
京師では大葬が執行われた。
けれど、何進は、
「病中――」と称して、宮中へも世間へも顔を出さなかった。
彼は怒りっぽい。
しかも、小心であった。
彼は自己や一門の栄華のために大悪もあえてする。けれど小心な彼は半面でまた、ひどく世間に気がねし、自らも責めている。
要するに何進は、下賤から人臣の上に立ったが、大なる野望家にもなりきれず、ほんとの悪人にもなりきれず、位階冠帯は重きに過ぎて、右顧左眄、気ばかり病んでいるつまらない人物だった。
貝殻が人の跫音に貝のフタをしているように、門から出ないので、或る日、袁紹は何進の邸を訪ねて、