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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

二

程普は、彼の耳へ、顔を寄せんばかり近寄って、

「この深夜に、陣門を叩く者がありました。何者かと思えば、敵方の密使二騎で、ひそかに太守にお目にかかりたいと申しますが」

「何。董卓から?」

孫堅は、意外に思って、

「ともかく会ってみよう」と、使者を室へ入れて見た。

生命がけで来た敵は、孫堅のすがたに接すると、懸命な弁をふるって云った。

「それがしは、董相国の幕下の一人、李という者ですが、丞相は常々からふかく将軍を慕っておられるので、特に、それがしに使いを命ぜられ、長くあなたと好誼を結んでゆきたいとの仰せであります。――それも言辞の上や形式だけの好誼でなく、幸い、董相国には妙齢なご息女がありますから、将軍のご子息の一方を、婿として迎えられ、一門子弟、ことごとく郡守刺史に封ぜんとのお旨であります。こんな良縁と、ご栄達の機会は、またとあるまいかと存じられますが……」

みなまで聞かぬうちに、

「だまれッ」

孫堅は、一喝を加えて、

「順逆の道さえ知らず、君を弑し民を苦しめ、ただ、我慾あるのみな鬼畜に、なんでわが子を婿などにくれられようか。――わが願望は逆賊董卓を打ち、あわせてその九族を首斬って、洛陽の門に梟けならべて見せんということしかない。