Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

三

酒がなくても、ずいぶん話せることだ。あればなおいいが」

「ははははは。まあ入れ」

暗い廊を歩いて、一室へ二人はかくれた。その部屋の壁には、孔子やその弟子たちの聖賢の図がかかっていた。また、たくさんな机が置いてあった。門柱に見えるとおり、童学草舎は村の寺子屋であり、主は村童の先生であった。

「雲長――いつも話の上でばかり語っていたことだが、俺たちの夢がどうやらだんだん夢ではなく、現実になってきたらしいぞ。実はきょう、前からも心がけていたが――かねて尊公にもはなしていた劉備という漢――それに偶然市で出会ったのだ。突っこんだ話をしてみたところ、果たして、ただの土民ではなく、漢室の宗族景帝の裔孫ということが分った。しかも英邁な青年だ。さあ、これから楼桑村の彼の家を訪れよう。雲長、支度はそれでよいか」

三

「相かわらずだのう」

雲長は笑ってばかりいる。張飛がせきたてても、なかなか腰を上げそうもないので、張飛は、「何が相かわらずだ」と、やや突っかかるような言葉で反問した。

「だって」と、雲長はまた笑い、「これから楼桑村へゆけば、真夜中を過ぎてしまう。初めての家を訪問するのに、あまり礼を知らぬことに当ろう。