Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「よし」

李は、そういって、丁峰を退けると、馬元義と共に、いきなり劉備の両手を左右からねじあげた。

二

「こら、貴様は茶をかくしているというじゃないか。その茶壺をこれへ出してしまえ」

馬元義も責め、李朱氾も共に、劉備のきき腕を、ねじ抑えながら脅した。

「出さぬと、ぶった斬るぞ。今もいった通り、張角良師のご好物だが、良師のご威勢でさえ、めったに手にはいらぬ程の物だ。貴様のような下民などが、茶を持ったところで、何となるものか。われわれの手を経て、良師へ献納してしまえ」

劉備は、云いのがれのきかないことを、はやくも観念した。しかし、故郷の母が、いかにそれを楽しみに待っているかを思うと、自分の生命を求められたより辛かった。

(何とか、ここをのがれる工夫はないものか)

となお、未練をもって、両手の痛みをこらえていると、李朱氾の靴は、気早に劉備の腰を蹴とばして、「唖か、つんぼか、おのれは」と、罵った。

そして、よろめく劉備の襟がみを、つかみもどして、

「あれに、血に飢えている五十の部下がこちらを見て、餌を欲しがっているのが、眼に見えないか。返辞をしろ」と、威猛高にいった。