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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

四

太師の徳望は、今や巍々たるものですから、古の舜が堯を受けたように、禹が舜の世を継いだように、太師がお立ちになれば、もう天下の人心は、自然、それにしたがうだろうと思います」

「いや、いや。そんなことは、まだわしは考えておらんよ」

「天下は一人のひとの天下ではありません。天下のひとの天下です。徳なきは徳あるに譲る。これはわが朝のしきたりです。世定まれば、誰も叛逆とはいいません」

「ははははは。もし董卓に天運が恵まれたら、司徒、おん身も重く用いてやるぞ」

「時節をお待ちします」

王允は再拝した。

とたんに、堂中の燭はいっぺんに灯って、白日のようになった。そして正面の簾がまかれると、教坊の楽女たちが美音をそろえて歌いだし、糸竹管弦の妙な音にあわせて、楽女貂蝉が、袖をひるがえして舞っていた。

四

客もなく、主もなく、また天下の何者もなく、貂蝉のひとみは、ただ舞うことに、澄みかがやいていた。

舞う――舞う――貂蝉は袖をひるがえして舞う。教坊の奏曲は、彼女のために、糸竹と管弦の技をこらし、人を酔わしめずにおかなかった。

「ウーム、結構だった」

董卓は、うめいていたが、一曲終ると、