Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
三花一瓶
一
村はずれのほうへ、後ろ姿を見せて、寛々と歩いてゆく。
その袂に、春風はのどかに動いていた。酒のにおいが、遠くにまで、漂ってくるように――。
「たいへんだ。おい、はやくこのことを、雲長先生の家へ知らせてこい。あの漢が、ほんとに、先生の舎弟なら、これはあの先生も、ただでは済まないぞ」
居酒屋のおやじは、自分のおかみさんへ喚いた。だが、彼の妻はふるえているばかりで役に立たないので、ついに自分であたふたと、童学草舎の横丁へ、馳けよろめいて行った。
三花一瓶
一
母と子は、仕事の庭に、きょうも他念なく、蓆機に向って、蓆を織っていた。
がたん……
ことん
がたん
水車の回るような単調な音がくり返されていた。
だが、その音にも、きょうはなんとなく活気があり、歓喜の譜があった。
黙々、仕事に精だしてはいるが、母の胸にも、劉備の心にも、今日この頃の大地のように、希望の芽が生々と息づいていた。
ゆうべ。
劉備は、城内の市から帰ってくると、まっ先に、二つの吉事を告げた。
一人の良き友に出会った事と、かねて手放した家宝の剣が、計らず再び、自分の手へ返ってきた事と。
そう二つの歓びを告げると、彼の母は、