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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

江東の虎

一

「時は来た」

「天下の黎明は来た」

「日ならずして、洛陽の逆軍を、必ず地上から一掃せん」

と、歯をくいしばり、腕を撫し、また、慷慨の気を新たにして、式終るや、万歳の声しばし止まず、ために、天雲も闢けるばかりであった。

袁紹はまた、諸将の礼をうけてから、

「われ今、菲才をもって、首将の座に推さる。かかる上は、功ある者は賞し、罪ある者は必ず罰せん。諸公、また部下に示すに、厳をもってのぞまれよ。つつしんで怠り給うなかれ」

と、命令の第一言を発した。

「万歳っ。万歳っ」と、雷のような声をもって、三軍はそれに応えた。

袁紹は、第二の命として、

「わが弟の袁術は、いささか経理の才がある。袁術をもって、今日より兵糧の奉行とし、諸将の陣に、兵站の輸送と潤沢を計らしめる」

それにも、人々は、支持の声を送った。

「――次いで、直ちに我軍は、北上の途にのぼるであろう。誰か先陣を承って、水関(河北省・水)の関門を攻めやぶる者はないか」

すると、声に応じて、

「われ赴かん」

と、旗指し物を上げて名乗った者がある。長沙の太守孫堅であった。

江東の虎

一

この暁。

洛陽の丞相府は、なんとなく、色めき立っていた。